⋆ ・⋆ ・⋆ ・⋆
それから先生が去った後、何も考えずに病院の屋上へ来ていた。
上着を羽織って、スケッチブックと鉛筆を持って。
ただ呆然と、夕に染まり始める街を眺めていた。
手術するかどうかの話は、まだ決まっていない。
お母さんたちにも話さなければいけないし。
まだ僕は、中途半端な人間だった。
こんな僕に歩み寄ろうと必死だった両親を遠ざけ、傷つけてばかりで。
もし僕が、手術を受けないと言ったらどういう顔をするんだろう。
泣く?怒る?
それが伊緒だったら、きっとどっちもだろう。
泣きながら怒る。
…そんな君は、今どこにいるの。
ふぅ…と吐き出した息は生暖かい風が攫っていった。
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それから先生が去った後、何も考えずに病院の屋上へ来ていた。
上着を羽織って、スケッチブックと鉛筆を持って。
ただ呆然と、夕に染まり始める街を眺めていた。
手術するかどうかの話は、まだ決まっていない。
お母さんたちにも話さなければいけないし。
まだ僕は、中途半端な人間だった。
こんな僕に歩み寄ろうと必死だった両親を遠ざけ、傷つけてばかりで。
もし僕が、手術を受けないと言ったらどういう顔をするんだろう。
泣く?怒る?
それが伊緒だったら、きっとどっちもだろう。
泣きながら怒る。
…そんな君は、今どこにいるの。
ふぅ…と吐き出した息は生暖かい風が攫っていった。
