少し慌ただしい様子で入ってきたのは担当医の先生で、何事かと思いながらもとりあえず離れてもらう。
「…君のドナーが見つかったんだ…!」
「え…?」
「早瀬くんのひとつ上の女の子なんだ」
そう言われた時、パッと頭に浮かんだのは伊緒の顔だった。
それを素直に喜べないぼくは、一体なんなんだろう。不謹慎すぎやしないか。
この先、生きれるんだ。また先輩たちと、そして伊緒と。
でも、この胸のざわつきがなんなのか、最近現れなくなった伊緒が関係しているのではないかと、そんなことを考えたら、落ち着かなくて。
まだ現実感がない僕は、これからのことを淡々と話す担当医の話を右から左へと聞き流していた。
