もうこれ以上、許さない

「ごめんなさいっ」
すぐに拾いながらも。

あたし何やってんだろっ…
もう何やってんだろ!
やり切れない気持ちが(たかぶ)って、涙が滲む。

「いや俺がごめん!
またやらかしたっ、ほんっとごめん!
俺6人兄弟の長男だからさっ、」
そう風人が、よしよしやあーんの言い訳をまくしたてる。


「ううん、食べ物を粗末にしてごめんなさい」
唐揚げに手を合わせて謝ると。

「ちゃんといただきます」
せめて他のは残さずに食べようと、遠慮したそれらに箸を伸ばした。

すると。
「俺もそれする。
なんかいいな、そーゆうの」
嬉しそうに呟く風人。

そうだね、風人の影響だよ。

風人は食べ物を処分せざるを得ない時、いつも手を合わせて謝ってた。
そしてあたしも1人暮らしを始めてから、自然とそうするようになってた。


そうして、2人で完食すると。

「あ〜苦しっ…買いすぎだよ」

「うん、仕事の後だから腹減ってるかと思って」

「でも美味しかった、ごちそうさま」
そう手を合わせて、腹をくくった。

「だけど、こういうのは最後だから。
明日からは、普通のお客様として接して欲しい」
やっぱり顔を見る事は出来なくて、片付けしながらそう言うと。

「……ん、わかった」
風人は寂しそうな声で了承した。