もうこれ以上、許さない

「俺は、そこに車止めて昼メシ食おうとしてたらさ?
こんな人けのない防波堤に女のコが上ってくから、まさか自殺でもすんじゃないかって引き留めに来たんだけど…
破天荒ってなんだよっ。
一気に緊張がぶっ飛んでめちゃウケたし!」

「っ〜〜、うるさいなぁっ。
あたしなりに、破天荒に生きてやるって戦かってたの!」

「ごめんごめんっ。
でも十分破天荒だし、危ないから下りよっか。
おいでっ?」

優しい笑顔でそう手を差し伸べられて…
なぜか胸が高鳴った。

そしてその手を取ると…
いっそうそれが加速する。


「はい、おりこうさんっ」

「なにその子供扱い…
玉城さんが同い歳って言ってたから、タメだよね?」

「あ〜俺、6人兄弟の長男だから、ついそんな口調になんだよね」

「6人兄弟!?
多いいね。
でも、ちゃんとお兄ちゃんしてるんだ…」
思わず自分と比べて、落ち込んでしまう。


「……もしかしてキミも長女とか?
だったら一緒に、長男長女の悩みを語ろうか!」

「はあ?」

「そうだ!めちゃくちゃ旨いパンがあるから一緒に食おっ?取ってくる」
と言うや否や、走り出す背中に。

「えっ、いいよ!」と断りの言葉をぶつけるも。