もうこれ以上、許さない

「そう!
だから頬張った時にお客様が来るとめちゃくちゃ焦るし、歯とか口周りとか汚れてないかなって笑顔がぎこちなくなっちゃうんだよねっ」
的を射た発言に、思わず乗ってしまうと。

ぶはっと吹き出す風人。

「なんで笑うのよ」

「ごめんっ、急に熱く語り出すから可愛くてっ」

「っ〜〜、うるさいなぁっ」
しまった油断したぁ〜!

「とにかく、今からそーやって食べるからもう帰って!」

「マジっ?
じゃあ俺も弁当買ってくるから一緒に食おっ?行ってくる」
と言うや否や、店を出る背中に。

「ちょ、待っ…」と断りを告げようとするも、間に合わず。



「ただいま〜。
デザートも買ってきたんだけど、どっちが」

「ただいま〜、じゃない!
あたし、一緒に食べるとか一言も言ってないんだけどっ」
呑気に戻ってきた風人の言葉を遮って、怒りをぶつける。


「…ダメ?」

「ダメ!
だいたい、スタッフでもないのにここで一緒に食べるわけにはいかないからっ」

「それは分かるけど、あそこのベンチならいいかなって」

それはここから8mほど離れた、スーパーの入り口脇にあるベンチで。

「そこならお客さんが入ってくのも見えるし、ゴックンする時間も稼げるし」