もうこれ以上、許さない

そして次の日。

あたしたちは公開されたばかりの、話題の映画を観に行った。
前に2人で、面白そうだよねって話したのを覚えててくれたんだろう。

そういうの、すごく嬉しい。
もちろん風人も、その辺はしっかり覚えててくれたけど…
いつも玉城さん優先で、実現される事はほとんどなかった。

…って!
なんで風人の事考えちゃうの!?
もぉせっかく休みなのに、頭ん中にまで現れないでっ。
ぶんぶんと小さく首をふってると。

「月奈っ」
誉に手を掴まれる。

「どしたっ?」

「あ、ううんっ。
蚊がいた感じっ?」

「え、もうっ?」と突っ込まれ、慌てて話題を映画に変える。

「それより、切ないラストだったね〜」

「うん、まさかああなるとは思わなかったよなっ」

そこでふと、手を繋がれているのに気付く。

「ね、誉。
こーゆうのやめようよ」
すぐに離そうとすると。

「でもはぐれそうだったから」
ぎゅっと掴まれて阻止される。

「ごめん、もうはぐれないように気をつけるから、離して?」

「なんで?意識する?」
といたずらな顔が向けられて。

「っ、しないよっ」
動揺しながら図星を誤魔化す。

「じゃあ別に、このままでもいいじゃん」
そう言って誉は…