もうこれ以上、許さない

確かに誉は…
いつもあたしを、愛があるように抱いてくれる。
めちゃくちゃ優しくしてくれる。
ほんとに心配してくれる。


「…うん。
それは、わかってるけど…」

だけど誉は、それであたしに何を求めてるの?
甘えてほしいって言ってたけど…
どんな存在だと思って欲しいの?

わからなくて言葉に詰まると、誉が大きくため息をついた。


「ごめん、俺なに言ってんだろ…
ちょっと仕事で色々あって、イライラしてた。
ほんとにごめん、忘れてくれる?」

戸惑いがちに頷くと。
「じゃあまた」と誉は背を向けた。

その背中があまりに寂しげで、つい抱きしめたくなったけど…
なんだか越えちゃいけない一線な気がして。
越えるのが怖くて。
あたしはぐっとその衝動を押し殺した。

身体の一線は越えてるのに、変なの…
モヤモヤした気分になりながらも。

おかげで風人の事は紛らわす事が出来ていた。



なのに。