すると風人は正面に来て…
片手から両手に繋ぎ直して、たまらなく愛しそうにあたしを見つめた。


「さんざん傷付けといて、苦しめといて、勝手なのはわかってるけど…
俺に、月奈の人生をください。

一番に優先出来ない時もあるかもだけど、順位なんかつけらんない唯一の存在だし。
月奈だけ守るってわけにはいかないかもだけど、一生月奈だけを想ってる。

そんでこれからも、我慢させる事はあるかもだけど…
でももう気持ちだけは我慢させない。
今までみたいにぶつけてほしいし、あの時みたいに本音も教えてほしいし…
ありのままの月奈でいてほしいから、俺が何もかもぜんぶ受け止める。

だから…
口だけじゃなくて、マジで永久保証付きだから。
俺と一緒に生きてください」


その、6年半越しにされたプロポーズに…
何度も、何度も、壊れそうなくらい心を打たれて。

ありのままの、あたしでいんだ…
ぶわりと涙が堰をきる。


「うんっ…
あたしの人生、全部あげるよっ?
あたしも風人と、一緒生きたい」

言い終えるや否や、その腕の中に囚われて。

「月奈っ!
月奈、月奈っ、月奈……」

存在を実感するように…
もう離れないように…
きつくきつく抱きしめられる。