もうこれ以上、許さない

俺は落下事故から2年前(●●●)のあの日を、ずっと後悔してた。

別に勝てるケンカだったのに、なぜか芽衣が突然飛び込んできて。
俺は自分のケリが芽衣に当たらないようにするのに必死で、相手のケリが芽衣に当たるのを防げなかった。

だから、それさえなかったらと…
その過去を消してしまいたかったし。
月奈と付き合ってからは、数えきれないくらいそう思ってきた。

きっと…
そんな消したい過去だったから、思い出すのが怖かったんだろう。

その過去のせいで、月奈をどれだけ犠牲にしてきた事か…
だから今度こそ。
月奈のためなら、なんだって犠牲にしてやるって…
記憶がなくても、そう思えたんだろう。

でも俺だって…
当たり前だけど、好きで犠牲にしてたわけじゃない。
俺は俺なりに、月奈を守ってるつもりだった。


月奈と付き合い始めた事を芽衣に報告した時。
2人が通ってる大学で、俺は芽衣の彼氏って事になってたから…
そのままにしてほしいと頼まれた。

さらに…
「樋口さんが私の彼を奪ったって、悪いイメージを持たれるかもしれない」
そう言われて。
なんだか、言う通りにしないと月奈を悪者にするって脅しに聞こえた俺は、すんなりOKした。