もうこれ以上、許さない

そうして、あの日一緒にパンを食べた場所に腰を下ろすと…
風人が、今日までの事を振り返る。

あたしの手を、ぎゅっとしたまま…






月奈と、最後に話した日。

言ってる事はもっともだったし、辻褄も合ってて…
でも俺は信じたくなくて。
胸を切り裂かれながらも、みっともなくすがりついてた。
そして、俺が傷付く言葉を泣きながら口にする様子に…
そう言って諦めさせようとしてるだけじゃないかって、希望に近い思いで信じて。
そうさせてる事に、いっそう胸を切り刻まれた。

だけどその涙は…
好きでもない人から、しつこくすがられるのが辛いからだと。
芽衣と同じ事をしてると、突きつけられて。

やっと両思いになれた月奈を、早く守りたかったのに…
苦しめる事しか出来なくて、やりきれなかった日々や。
何度言ってもどんなに頼んでも、芽衣にわかってもらえなくて…
泣かせたり傷付けたり、心を鬼にするしかなくて…
それでもどうにもならなくて、辛くてたまらなかった日々が甦る。

そして俺も、確かにしつこくすがってて…
つまり、そんな思いを月奈にさせてて…
芽衣と同じく、相手の気持ちなんかお構いなしになってたわけで…
だとしたらこれ以上、自分の気持ちを押し付けるわけにはいかないと思った。

さすがに諦めるしかなくて…
でもそんなの無理に決まってて!