もうこれ以上、許さない

泣かない泣かない!
ほら笑うよっ?
パンパンと頬を叩く。

あたしが笑ったら応援になるって、マスターが言ってくれたのもそうだけど。
風人が2度も好きになってくれた笑顔だから…
どんな時でも、それを忘れずにいたかった。

辛くても、笑顔で立ち向かってやる!と。

そう思ったら、海風に立ち向かったあの言葉が浮かんで…
今度は風人が受け取った意味で、それを口にしようと思った。

ー「まさに大胆不敵だなって。
俺も色々恐れずに、やるだけやったら自分の道に突き進もう!って思えたんだ」ー

そう、この一年半…
めいっぱい残業したあたしは、ちょうど先月で学費を返し終わってて。
これからは自分の道に踏み出そうと思ってたのだ。

その道が、いつか風人の人生に繋がる事はないけれど…
それでも負けるもんかと、大きく息を吸い込んだ。


「はてーんこーーーう!!」

叫ぼうとした言葉が横取りされて…

心臓が、肺が、身体が、停止する。