もうこれ以上、許さない

「親父が月奈ちゃんの事ベタ褒めして、お前も見習え的な事言うからさぁ。
なんでそんな頑張んの?って訊いたよな。
そしたら、あたしにはここしかないから、って言っただろ?」

「うん…
そしたらマスター、俺に足りないのはそれだ!って言ってたよね」

「そお!
夢を叶えたいとか、成功させたい程度じゃなくて。 
俺もそこしか、Cyclamenしかないって覚悟で頑張んなきゃダメだなって…
それで今があるわけだから」

「でもそれはあたしのおかげじゃなくて、マスターが頑張ったからだよ」

「だーからそう頑張れたのはっ、そんな月奈ちゃんに感化されたからだし。
それに、」
そこで一瞬ためらって…
観念したふうに苦笑う。

「ここしかないって言った月奈ちゃんが、ほっとけなくてさ。
俺が支えてやりたいって思うようになって…
気付けば特別な存在(●●●●●)になってたから、会えるだけで元気もらってたんだよ」

え、今なんて…
サラッとこぼされた意味深な言葉に、耳を疑うも。
マスターは考える隙も与えず、続きを畳み掛ける。

「だから俺も、月奈ちゃんに元気をあげたかったし。
ここしかないって状態に、居場所を作ってあげたかったんだ」
そう言われて。

胸がぎゅうっと締め付けられる。