もうこれ以上、許さない

その瞬間、胸が思いっきり掴まれる。


だけど、すぐにハッと我に返った。

「っ、またその話っ?
あたしなら大丈夫だからっ、」

「俺が大丈夫じゃないんだ!」

「…誉が?
どういう事?」
切実な様子に、何か事情があるんだろうと心配になる。

「微塵も気付いてないんだな。
まぁ俺も、気付かれないようにはしてたけど…
俺には月奈が必要なんだ。
だから…
さっきの冗談にした話、やっぱり力になってほしい。
俺と結婚してくれないか?」

「っ、無理だよっ。
あたしが力になれる事なんて、たかがしれてるし…
結婚するほどのメリットなんて、絶対ないよっ?
第一、愛のない結婚なんてっ、」

「愛ならあるよ!」
そう遮られてすぐ。

「むしろ俺は、愛しかなかったよ…
ずっと月奈が好きだった」

耳を疑う告白に…

心臓がものすごい力で締め付けられる。


「う、そ…
だって誉は、妹さんの事をっ…」

(あいつ)がそう言ったのか…
ったく」
片手で顔を覆ったあと。

「嘘だよ、ブラコンだって言っただろ?
まぁ実際血は繋がってないけど、俺は妹としか思ってない」

「でも誉だって!
誰とも付き合う気はないって…」

「そうでも言わなきゃ!
月奈は俺を、受け入れてくれなかっただろっ?」