もうこれ以上、許さない

もう風人を苦しめたくなかったのに…
最後の最後まで苦しめて、ほんとにごめんっ。
どうやったってあたしは、苦しめる事しか出来ないから…
だから離れるしかないんだよっ。

そう、これ以上風人を苦しめるのは…
あたしが自分(あたし)を許さない!


「…あたしに謝るくらいなら、玉城さんの気持ちの方をわかってあげなよ。
自分が本当に守らなきゃいけない存在を、幸せにしてあげなよ。
…じゃああたし、行くね」
未練を断ち切るよう立ち上がると。

「月奈っ!」
ガシッと手首を掴まれて…

抑え込んでた想いが一気に弾ける。


「嘘だよ…」
思わず口走って。
「好きだよ風人っ…
あたしだって死ぬほど好きだよっ!」
そう抱きつこうとした自分を…

そうしたくて破裂しそうな心を、必死に必死に押し殺す。

見ちゃダメ!
今風人を見たら、絶対我慢出来ないっ。
早くこの温もりから離れなきゃっ…

なのに離れたくなくて、心が壊れそうになる。


だけど。

「いいパパに、なってねっ…」
死に物狂いで、ぐっと風人の手を押し戻すと。

今にも泣き崩れそうな自分を、足早にその部屋から引きずり出して…


あたしと風人は、終わりを迎えた。