もうこれ以上、許さない

「…痛い、離してっ?
どのみち今は、冷静に考えられないし…
しばらく1人で考えたい」

風人はたまらなそうにまた唇を噛みしめて…

「っっ、ごめん…」
泣きそうな声で呟いて。
渋々といった様子で、だらりと掴む手を下ろした。



それから、どうやって帰ったのか…
気付けばあたしは、自分の部屋にいた。

頭の中はぐしゃぐしゃで…
ただただショックで…
考えるたび、涙に襲われる。

そしてふと思う。
だから、あたしの事を抱いてくれなかったんだ…

婚約者である限り、その行為は避けられないかもとは思ってた。
そして中途半端な状態を気にしてた風人だから、両方に手を出すわけにはいかないんじゃないかとも。

だからって、絶対ちゃんとするとか言っといて…
妊娠するほどの事までしてたなんて!

ー「違うんだ!
俺の話聞いてっ!?」ー
やむを得ない事情があったんだろうけど…

ー「いいよっ、抱いて?
一緒に駆け落ちするんだから、もういいじゃんっ」
「でもまだしてない!
まだ中途半端なままだからっ」ー

大事にさせて?とか言っといて…
ほんとは玉城さんに避妊してなかったから、あたしの事は責任取れないかもと思って抱けなかったんじゃん!

やりきれないと思ってた推測は、状況的にその通りに違いなくて…