もうこれ以上、許さない

「月奈っ!」
すかさず風人が、追いかけて来ようとしたのか。

「行かないで風人っ」
玉城さんの引き止める声がして。

ドキリ!と、フラッシュバックしたあたしは慌てて振り返る。

つい逃げ出してしまったものの。
例のごとく、風人なら追いかけてくるに決まってて。
そしたらまた危険な目に遭わせてしまうかもしないからだ。

だけど風人は、玉城さんに背中から抱きつかれてて。
追いかけて来れないと判断したあたしは、その隙に急いでこの部屋を後にした。


なのに玄関を飛び出したところで。
再び呼び止められたと同時、ガシッと腕を掴まれる。

「っ…
ついて来ないで!」
なんでまた追い付かれるのっ?

「違うんだ!
俺の話聞いてっ!?」

「違わないよっ!
妊娠させた事に違いはないよねぇ!?」

すると風人は唇をぎゅっとして、一瞬言葉を失った。

やっぱり否定、出来ないんだ…


「…でも俺はっ」

「でもじゃないよ!
でもですむ問題じゃないしっ…
今話さなきゃいけないのはあたしじゃないっ!」

「っ、そうだけど…」
返す言葉もないけど、離したくないといったふうに…
腕を掴む手に、ぎゅっと力がこもる。

やるせなくて…
もうどうしたらいいのかわからなくて…
涙がぼろぼろこぼれ出す。