途端、風人はたまらなそうな顔を覗かして…
すぐにそばに来て、あたしの頭を優しく撫でた。

「よしよし、おりこうさん。
もう全部終わったよ?
いっぱい不安にさせてごめん…」
そう言われて。
ぶわりと涙がいっそうあふれる。

ああもうそれだけで、何もかも報われる…
抱きつきたい衝動を抑えながら、首を横に振った。

「でもっ、ここに来て大丈夫なの?」

「うん、詳しい事は後で話すけど…
俺まだあっちにいると思われてるから、今日は大丈夫。
とりあえず、月奈の仕事が終わる頃にまた迎えにくるからさ…
それまでもーちょっと、頑張れる?」
優しく問いかけながら、親指であたしの涙をそっと拭う。

「んっ…
もう大丈夫、ありがとうっ…」
だけど胸が壊れそうなくらい、愛しさが込み上げて…
涙がなかなか止まらない。

「ほんとに〜?
俺今死ぬほど抱きしめたいし、ぎゅっとした方がよくないっ?」

「仕事中だしっ」

「じゃあ後でめちゃくちゃイチャつこっ?」

「…考えとく」

「ええ〜!
いーじゃん久々なんだしっ」

そうやって、涙は笑顔に変えられる。
しかもほんとは…
久々のそれを思って、胸がドキドキ弾んでた。