もうこれ以上、許さない

『泣いてないし!
めっちゃ唇噛んでギリギリ我慢したけど、もしかしてそれがバレてたのかなって』

めっちゃ唇噛んでって…
それで血豆が出来たんじゃっ?

そんなに辛い思いさせてたんだ…


「…あの時は、ごめんね」

『いやこっちのセリフだしっ。
マジですげぇ悔しくて、自分が許せなくて…
けどこれからは、俺が命がけで守るから』

命がけ…
ー「だったら月奈を命がけで守るかな」ー
誉が言ってた事と合わさって、また胸がめちゃくちゃぎゅっとなる。

そうだね、その時も命がけで守ってくれた。

「ありがとうっ…
でももう無茶はしないでね?
あたし、風人になにかあったら生きてけないもん」

すると、無言が返されて…
さすがに重かったかと焦った矢先。

『っっ、胸()っった!
いやそれ逆に殺しにかかってる…
マジで、可愛いすぎて俺死ぬよっ?』

「紛らわしいわ!」

でもそうやって相変わらずなあたしたちは…
何があっても、楽しくやっていけそうな気がしたし。

ー「2人で生きる道を選んでくれて、ありがとう」ー
そう言ってくれた風人に…
迷いは跡形もなく消え去っていた。




だけど、そんな時間は束の間で…

暗い顔で店に現れた風人から、来週から地元の本社勤務になったと告げられる。