もうこれ以上、許さない

「まっ、どんな結果になっても、どこに行っても。
俺と彼女は、月奈ちゃんの味方だからさっ。
なんかあったら、いつでも戻って来いな?
俺が100億人分応援してやる!」

「なにそれすごい!
世界人口超えてるじゃんっ」

「まぁな。
こー見えて俺、世界を超える男だから」

「じゃあ、世界を超えるカクテルお願いしまーす」

「任しとけっ」

そうやってふざけ合いながらも…

"いつでも戻って来いな?"
つくづく家族みたいな、この居場所から…
ますます離れがたくて切なくなっていた。


とはいえ、自分がどうしたいか…
あたしの答えは決まってた。

風人と一緒にいたい。
風人のために生きたい。


ただやっぱり、後悔はさせたくないから…

どうか思い出さないで。
そう願うしかなかった。



そうして、駆け落ちの準備を着々と進めていると…
電話でその報告の最中。

『つか、今さらだけどさっ。
2人で生きる道を選んでくれて、ありがとう…
俺、泣きそうなくらい嬉しかった』
しみじみそう告げられて。

こっちが泣きそうになったのを、明るく切り返した。

「うん、泣いてたけどねっ」

『うわ、バレてたか…
まさか、店でもバレバレだったとかっ?』

「店でも泣いてたのっ?」