もうこれ以上、許さない

「ほんとにっ?
絶対だからね?」
じゃなきゃ条件違反で、風人もっと苦しめてしまう。

あたしの念押しに、今度はため息混じりに頷いて…
「つか全部俺のせいじゃん。
俺が我儘言って、ここにもホテルにも誘ったから…
挙句、1番守りたいものを苦しめて…
ごめん、なんかもうっ…
自分が嫌でやり切れないっ」
髪をぐしゃりとしながら両手で頭を抱え込む。

違うよ、風人のせいじゃない!
あたしが一緒にいたかったから、そうしただけ。
そう言って、すぐにでも抱きしめたかった。
抱きしめたくて、抱きしめたくて、心がどうにかなりそうだった。

だけど…
あたしももう、疲れちゃった。
そう言うしかなくて。
風人の発言とあたしの目的に、ぴったりなその言葉を言おうとして…
泣きそうになる。

震える唇を噛んで、言葉に出来ずにいると…


「…もうさ、駆け落ちしよっか」
耳を疑う言葉が飛び込む。


今、なんて…?
思いもよらない言葉に、面食らうと。

風人はバツが悪そうにして、弁明を並べた。

「ごめん…
絶対ちゃんとするとか言っといて、ほんと口だけなんだけど。
どんなに頑張ったって、別れられそうにないしさぁ…
だけど俺は、もう月奈を泣かせたくないし。
何を犠牲にしても、月奈さえ守れればそれでいいし」