もうこれ以上、許さない

風人は今、どんな顔をしてるだろう…
どれだけ傷ついてるだろうっ…

ごめんね、風人。
ごめんねっ…


そう、風人じゃなきゃダメとか言っといて。
裏では他の男と抱き合ってたり、あっさり鞍替えした現場を目の当たりにしたら…
さすがに愛想尽かしたり。
そんな女のために頑張ってたのが馬鹿馬鹿しいと、諦めもつくんじゃないかと思った。

すると。
「…ごめん、無理」
思惑通り愛想尽かされて、胸が潰れそうになった瞬間。

「無理だから、手ぇ離そ?」
酷く切なげな声で、優しく問いかけられて…

とっさに風人に顔を向けた。


その無理は、あたしの選択を受け入れられないという無理のようで…

「俺、もっともっと頑張るからさっ。
もう泣かせないようにするからさっ…
一緒にいよ?」
合間に唇を噛みながら、精いっぱいの笑顔を作って、再び手を差し伸べる風人。

堪らず「うっ」と嗚咽がこぼれて。
心が揺らぎそうになったあたしは…
思わず、抱きついてる手を離すと。

「いいかげんにしろ!
お前に一緒にいる資格はないっ」
風人を制する誉。

「黙ってろよ!
お前には関係ねぇだろっ」

「あるから言ってるんだろっ!
何で月奈の両親が、職場まで怒鳴り込んで来たと思ってるんだっ?」