もうこれ以上、許さない

「お前という奴はっ、どこまで性根が腐ってるんだっ!
人の道を踏み外してっ、挙句また逃げるのか!?
それで済むと思ってるのかっ!?
いつまで周りに迷惑をかければ気が済むんだ!」

4年半ぶりに会っても、殴られる事しか出来ない自分が…
いつまでたっても逃げる事しか出来なくて、周りに迷惑をかける存在でしかない自分が…

惨めで、情けなくて。
自業自得で泣く資格なんかないのに、涙がにじんで…
唇をぎゅうっと噛み締めた。


「いいか!?
相手の男とはすぐに縁を切るんだっ。
婚約者の方がどれほど傷付いてるか、お前にわかるかっ?」

「お言葉ですが、誤解です」
突然割り込んできた声に。

誉っ?と思って顔を上げると、まさしく本人で…
きっと、騒ぎを耳にして戻って来てくれたんだろう。


「…誰だ君は」

「僕は、月奈さんとお付き合いさせていただいてる、松村誉といいます」

ああ、誉までまた巻き込んでしまった…
あたしのために嘘を重ねる姿に、申し訳なさでやるせなくなる。

「お前がっ…
いや、松村?」
玉城さんから聞いた名前と違ったからか、そう戸惑うお父さん。

「はい。
月奈さんとお付き合いしてるのは僕です。
なので、その婚約者の方が言ってる事は誤解です」