もうこれ以上、許さない

何かあったのかと、心配な思いで電話に出ると。

『お前は何をやってるんだっ!』
いきなりお父さんに怒鳴られる。

意味がわからず固まると。
どうやら玉城さんが、婚約者を寝取られたと実家に押しかけたようで…
わんわん泣きじゃくってた事や、関係を終わらせないなら訴えるといった内容を、ものすごい剣幕で告げられた。


お泊まりがバレてた事や、実家を知られてた事に驚きながらも。
そんなに泣いてた事や…
親を巻き込んでしまった事や、また迷惑をかけてしまった事。
そして今までにないキレ方をするお父さんに、どうしようとテンパって…

「誤解だよっ…
今仕事中だから切るねっ?」
思わず電話を切ってしまう。


どうしよう、どうしようっ…
だけど言い訳のしようもなくて。
どうしたらいいか分からなくて。

あたしはそれから、親の電話に出る事が出来ずにいた。


でも逃げ続けたって、なんの解決にもならなくて…
事態はさらに悪化する。



その週末。
最後のお客様だった誉を見送ると…
それを見計らったかのように、お父さんとお母さんが現れる。

驚いて固まるあたしに…

なだめるお母さんを振り切って、ズカズカと近づいて来たお父さんの手が…
勢いよく振り下ろされた。