しかも25の若さでイベント会社を経営してるとなれば…
女がほっとくわけがない。


「他のコじゃ逆に、甘さ求められるし」

「それ単なる我儘じゃん。
自分は欲しいくせに求められるのはヤダなんて」

「けど俺、月奈になら求められてもいいよ?」
そう挑発的な笑みを向けられて…

思わず胸がドキリと跳ねる。


そんな事言わないでよ…
騒ぐ心を慌てて抑える。

「うわ、確信犯。
あたしなら何言っても求めないからって」

「そんな事ないよ。
だって月奈、ベッドでは求めてくるじゃん」

「それはっ…セフレだからね。
そこは求めるでしょ」


だけど。
誉はいつも愛があるように抱いてくれるし、1年もそんなふうに抱かれ続ければ…
つい、その心まで求めてしまう。


もう誰も好きになりたくないのに。
誰とも付き合う気なんてないのに。


あたしは、4年前の別れをずうっと引きずってる。
今でもたまに、夢でうなされるほど…

それでも誉とこういう関係になってからは、だいぶ落ち着いた。

それは、誉に惹かれ始めたから…


出会ったのは行きつけバーだった。
お互い常連同士で、顔見知り程度でしかなかったけど…

ある日。