もうこれ以上、許さない

それでも…
学費の返済や事故の責任を取るまでは、消えるわけにはいかなくて。

だけどここにいるのは辛すぎて…
それからのあたしは、せめてこの町から消えたいと。
どこか遠くに逃げたいと、思うようになっていた。


そんな時。
風人のご両親のところへ、2回目の支払いに行くと。

「この前は、芽衣ちゃんの顔を立てたのと。
あなたの気持ちをくんで、いったん預かる事にしたけど…
やっぱりこれは受け取れないわ」
と、前回の分と一緒に突き返される。

「お金の代わりに、君も息子の事は忘れてくれ」

それは、何より残酷な償いで…
忘れようとして忘れられるくらいなら、こんなに苦しんだりしない!

殊更(ことさら)、この町には風人との思い出があふれてて…
あたしはすぐにでも、遠くに逃げようと思った。






「それでここに辿り着いて…
せっせと学費を返してるってわけ」
そう笑ったつもりが…

急に立ち上がって隣に来た誉に、ぐっと抱きしめられる。

「ちょ、誉っ…
こういうのはっ」

「親友としてだから!
ごめん、ほっとけない…」
そう言ってさらにぎゅっと力がこもる。

ほっとけない?

気付けばあたしは…
泣いていた。


「月奈のせいじゃない。
月奈は何も悪くない」
護るように髪を撫でられて…

思わず甘えたくなったものの。