もうこれ以上、許さない

心臓が思いっきり弾けたのは言うまでもなく。
なのにその視線は、通りすがりの人を目にした様子ですっと逸らされて…

胸がものすごい力で八つ裂かれる。


あぁ、あたし…
ほんとに忘れられてるんだ。
微塵も思い出してもらえないんだ。

もう風人の中に、存在してないんだ。


ぶわりと涙があふれて。
息が詰まって、出来なくなって。

苦しくて苦しくて、心が壊れそうで…


そんなあたしを追い打ちするかのように。

「ここで何してるのよっ」
玉城さんに見つかってしまう。

すかさず「ちょっと来て!」と腕を引かれ、その場から遠ざけられると。

「どういうつもり!?
風人と何話したのっ!?」
ずごい剣幕で問いただされる。

涙で言葉にならず。
何も話してないと言わんばかりに、ぶんぶんと首を横に振ると。
玉城さんはホッとした様子を覗かせた。


「でももう風人とは関わらないでって言われたよねえっ?
何で約束を破るの!?
私が父に忘れ物を届けに来なかったら、気付かないとこだったし…
もしかして今までも来てたのっ?」

あたしはまた首を振り。
玉城さんは大きくため息を吐き出した。