もうこれ以上、許さない

ー「もうその笑顔見れるなら何でもするね」ー
ふと、そう言ってた風人が思い浮かぶ。

そういえばあたし…
いつからか怒ってばかりで、あんまり笑ってなかった。

それじゃフラれるのも当然だよねっ…

どんなに泣いても、後悔しても、もうどうにもならなくて。


だけど。
今度はあたしが、風人の笑顔が見れるなら何でもする。
その笑顔のためなら何だって頑張れる。

だから…
一目だけでいいから、会いたいよっ。



そうしてあたしは、風人の出勤時間に会社のそばで待ち伏せた。

事故から2ヶ月半が経っていて…
もう職場復帰してるんじゃないかと思ったし。
家だとご両親にバレそうだと思ったから。

そこに予想通り、本人が現れて…
心臓が大きく跳ね上がる。

と同時に。
会いたくてたまらなかったその姿に…
まだ好きで好きでたまらないその人に…
胸が、もぎ取られそうなほど掴まれる。


でもその表情は風人らしくなく、物憂げに曇っていて…

ー「記憶がない事や、家族や周りの人に迷惑をかけてる事に、ものすごく苦しんでる!」ー
玉城さんの話を思い出す。

笑顔どころか、あたしは今でも風人を苦しめてたんだ…
申し訳なくて、やりきれなくなると。

ふいにその人と、バチっと目が合う。