もうこれ以上、許さない

「俺とはもっと親密だったのに、一年経っても変わんなかったわけだし。
何か抱えてるとは思ってたから、それなのに何でだ?って。
だけど、抱えてたのはあいつの事だったんだな…」
誉はやり切れないといった表情を覗かして、片手で顔を覆いながら呟いた。


「それにしても、だから月奈と付き合ってた事を言わないでか…」
記憶喪失と捏造に対して、そう合点した様子に。

あたしはコクリと頷いて、説明を終えたつもりでいると…

「でも何で月奈も、言われたら困るんだ?」
さらなる追究が続く。

「捏造をバラした方が、どう考えても有利だろ。
そうなると、実際あの2人は付き合ってないわけだから、浮気扱いされる筋合いもなければ。
別れ話の必要すらないわけだから、何の問題もなくやり直せるんじゃないか?」

「…問題は、色々あるよ。
まず、付き合ってなくても婚約してるのは事実だし」

だから、実際は彼女じゃなくても強気でいられるんだろう。

「バラしたところで…
こうも状況証拠を固められてたら、真実の方が信憑性ないし。
あたしは風人のご両親にも恨まれてたから、ほんとの事は言ってくれないだろうし。
その証言に勝るような証拠もない」