もうこれ以上、許さない

「ごめんっ、悪い意味で言ったんじゃないの…
でもごめんね?
…じゃあ、さっそく本題に入るねっ?」
動揺を誤魔化すようにして、話を切り替えた。


「確かにあたしと風人は、昔付き合ってたんだけど…
風人は何も覚えてないの。
あたしのせいで、記憶喪失になったから」

「記憶喪失!?」
当然驚く誉。

そうしてあたしは、それに至らせた経緯(いきさつ)と今の状況を…
運ばれた料理に箸をつけながら、語っていった。

誉にはもうある程度バレてるから、今さら隠しようがなかったし。
変に線引きする必要もなくなったわけだから…
ーなんでも話せる親友になりたいー
そう言ってくれた誉に、素直に甘える事にしたのだ。

でも本当は…
珠和にも話せずに一人で抱えてたこの現状を、誰かに打ち明けたかったのかもしれない。


誉は切なげな顔や驚き顔を浮かべながら、親身に耳を傾けてくれていて…

「そういう事か…」
最後にそう、深くため息こぼした。


「ずっと不思議だったんだ。
あんな頑なに壁を作ってた月奈が、どうしてあいつには心を許したんだろって。
いくらフレンドリーだからって、毎日顔を合わせてるからって、この短期間で何でだろって」