もうこれ以上、許さない

それから、急いで締め作業まで終わらせたあたしは…
説明を待っててくれた誉に誘われて、お洒落な個室居酒屋を訪れた。

今日は頭が上がらないため、断われなかったのもあるけど…
せっかくだからお礼にご馳走しようと考えたからだ。

それに、今は普通の友達だから…
もう変に線引きする必要もないと思ったから。


「おつかれさま〜。
今日はほんとにありがとうっ」
とグラスを合わせる。

「おつかれ。
いや、なんとか誤魔化せてよかったよ。
反応を見ながら探り探りやってたからさ…
状況と噛み合わなかったらどうしようって、内心ヒヤヒヤだったし」

「そうなのっ?
ぜんぜんそんなふうに見えなかった…
むしろ誉の事、嘘つき名人!って思ったくらいだし」

「それ嬉しくないんだけどっ」

あははと笑い合うと…
誉は嬉しそうに呟いた。

「なんかいいな、こういうの。
セフレやめて良かったかも」

「そうだね…
でも吐け口がないと辛いんじゃない?
新しい相手は探してるの?」

誉は視線を落として、一瞬黙り込んだあと。

「別に月奈の事を吐け口にしてたわけじゃないし、月奈以外の相手を作るつもりもない」
またゾクリとするほどの、切なげな目を向けてきて…

思わず心臓が揺さぶられる。