これ以上近づいたら許さない、と言うからには…
今後はもっと監視の目が張り巡らされて、こっそり会うのは難しいだろう。
だからって諦められないし…
開き直って今まで通り近づいてたら、風人の立場を悪くする。

どうすれば…
と戸惑ってると。

「誤解だよ。
月奈が言ってる事は嘘じゃない」
いきなり現れて、そう庇ってくれた…

「誉っ!」

「誰?あなた…
関係ない人は口挟まないでっ」

「ごめん、外まで聞こえたから。
けど関係ならあるよ。
月奈は俺の彼女だから」

それって…
まさか助け舟出してくれてるのっ?


「え…彼女?
だったらあなたも裏切られてるわよっ?」
そう言って玉城さんは、さっきの写真を誉に向けた。

それを見て、その目が一瞬切なげに細まった気がしたけど…

「ああ、あの時か。
それなら俺も、途中から一緒だったけど?」
と不敵に笑う。

「うそ…
なんであなたまで?」

「その日は俺の誕生日だったから、2人がサプライズでお祝いしてくれたんだ」

「そう、なの?…ほんとにっ?」

「逆にそこ疑う?
菊川くんすごくフレンドリーだから、俺も俺の親友も仲良くさせてもらってるし。
婚約者なら彼のそういうとこ、よくわかってるのかと思ってた」