血が繋がってなくても兄妹だから、どうにもならなくて…
ブラコンになったり、彼女って存在を妨害するしかなかったんだ。

そして、たぶん誉も…

ー「俺も、誰とも付き合う気ないからさ」ー
ー「あんたアタシの身代わりでしかないんだから」ー

あたしに(こだわ)るのは、何も求めないからで…
妹さんを抱きたい気持ちを、セフレにぶつけてたんだ。

誉を好きだった身としては、少し切なくなる。


「じゃあまだ、嘘カノ続けんだ?」
同じく切なげに、口を尖らす風人に。

思わず胸をくすぐられるも…
「菊川さんには関係ないでしょ。
じゃああたし、帰るから」

「冷たっ!
せっかくだからメシ行こーよっ」

「行かないよ」

「ケチ〜。
じゃあせめて、5分ちょーだい?」

「5分?で何する気?」

「うわ、人を変質者みたいに…
何もしないから隣座って?
ただ一緒にいたいだけだから」

その瞬間、胸がぎゅうっと掴まれる。


やめてよ…
5分でも一緒にいたいとか…
そんな事言わないでっ。
これ以上好きにさせないで!

そう思ってハッとする。


「っ、帰る!」
風人を残して、足早にその場を立ち去りながら…

違うっ、好きじゃない。
別に好きなわけじゃない!

あたしは必死にそう言い聞かした。