もうこれ以上、許さない

「じゃあね、樋口さん」
「うん、また明日」

「あっ、月奈ちゃん。
今日の夜、セールス電話かけてい?」

「セールス電話?」

「そっ、さっきの続き」

「ああ、まだ続くんだ?」

「続くよずっと、じゃあね〜」

ずっと、って…

玉城さんの視線から圧を感じたのは言うまでもなく。
だけどあたしは嬉しくて…
さっきと違う痛みで胸を締め付けられていた。



その夜はまた、バカみたいな話で盛り上がって、楽しい時間を過ごしたけど…

次の日、その代償が訪れる。


「おはよう、樋口さん。
昨日は私の彼がごめんね?」

彼って、ほんとは付き合ってないくせに…


「なになに?
樋口さん、芽衣の彼となんかあったの?」

「そうなの。
風人ってフレンドリーだから、誰とでも仲良くなって、相手のコを勘違いさせちゃうんだよね」

うわ、完全包囲網…

「大丈夫だよ?
あたしは友達として仲良くしてるだけだから、勘違いとかしないし」

「良かったぁ。
樋口さんが嫌な思いしないか心配してたの。
でも慣れたらもっとグイグイくるかもしれないから、めんどくさい時はいつでも言ってね?
私が注意しとくから」

「ありがとう。
けどあたしなら大丈夫だから、気にしないで?」