もうこれ以上、許さない

「信じてる信じてる。それで?」

「言い方っ。
いやほんとなんだって!」

確かに、当事者じゃなかったらすぐには信じられないだろうけど…
こっちとしてはいたたまれないっ。

「わかったから、とにかく続き話してよ」

んん、と納得いかなそうに…
あたしの知らない、これまでの風人の事が語られ始める。


「彼女とはさ…
あ、今は婚約者だけど。
もうけっこう長い付き合いで。
けど4年半くらい前?
俺が事故で記憶喪失になって…
付き合ってた事も、好きだった気持ちも、全部忘れちゃてさ。
それからはずっと、思い出せないまま付き合ってて」

「んん?ちょっと待って。
その子とは、いつから付き合い始めたの?」

「えーと、彼女が言うには…
6年くらい前、かな?」

「はああ!?
なにそれ信じたのっ!?」
いきなりキレたあたしに。

「…え、うん」
若干引き気味に応える風人。

しまった、つい!
だけど信じらんない…
あの女、話を都合よく捏造するなんて信じらんない!


「ごめん、ちょっと驚いて…
だって普通、言われただけで信じる?」

「いやそれだけじゃ信じないけど。
ちゃんと証拠?根拠?があったから」

「うそっ、例えばっ?」