もうこれ以上、許さない

そうして次の日。

「あのさ、昨日の続き聞いてほしんだけど…
あれからバタバタ仕事片付けて、今日早く上がれるように調整したからさ。
仕事終わったら、時間作ってもらえない?」
さすがに気まずいのか、神妙に頼む風人。

悪いけど、あたしには関係ないから聞く必要ない。
本来ならそう言うとこだけど…

「いいよ」
昨日からの聞きたい欲求に負けてしまう。



待ち遠しい気持ちで、その時を迎えると。

今日は蒸し暑いし話も長くなるかも、といった理由で…
すぐ近くの風人行きつけのラーメン屋さんで、夕食がてら聞く事になった。

あぁ、全然一線引けてない…
こういうのは最後って言ったくせに、余計親密になってるし。
パーテーションで区切られた座敷の奥で、流された自分に今さら呆れる。


「それで?
実はなんなの?」
とにかく早く終わらせようと、さっそく本題を切り出した。

「うん実は、信じてもらえないかもだけど…
俺さ、記憶喪失なんだ」

ゴフッと。
今回はあたしが、飲んでた水を思わずむせる。

実はってその事!?
ていうかそれ、あたしが犯人だし!

大丈夫か心配されて、頷くと。

「てか絶対信じてないし…」
むせた理由をそう誤解する風人。