もうこれ以上、許さない

「俺がヤだって言っても?」

「っ、はあっ!?
なんで菊川さんがっ…
だいたい、協力してくれるんじゃなかったのっ?
ていうか、菊川さんにそんな事言う権利ないからっ」
玉城さんと結婚するくせに!

「そーだけどっ…
ヤなもんはヤだし」

だからなんで!?
胸を掴まれて、声にならずにいると。


「じゃあさ、俺も月奈って呼んでいっ?」

「いや意味わかんないっ。
どっからそーなるのっ?」

「だって、あいつだけズルいし」

「ズルくない!
誉とはそーゆう関係だけど、菊川さんはっ…」

今は他人じゃん…
そう思って、あたしの胸にもズクリと矢が突き刺さる。

「…ただの、お客様だから」

「うわ、また矢が刺さった」

こっちのセリフだよ。

「…でも俺、諦めないから。
じゃあまた明日」

えっ、と耳を疑うも…
風人は、訊き返す間もなく帰って行った。


なんなの…
諦めないって何?
マジで意味わかんないんだけど!

あたしが傷付いた方がマシだとは思ってるけど、さすがにそれは社交辞令じゃすまない気がして…

いやきっと聞き間違いだ。
それか話の流れ的に、呼び捨てを諦めないって事かも!
そう自分に言い聞かした。