もうこれ以上、許さない

「そうじゃ、ないけど…」
協力したら自然消滅出来ないじゃん。

「とにかく、はい。
250円のお釣りとお預り票です」

誉はそれを受け取りながら…
「だったらいいじゃん。
じゃあそういう事でよろしく」
と言って、くるりと背を向けた。

「ちょっ、勝手に決めないでよっ」

お客さん(●●●●)待たせてるよっ?
不服なら俺んちで聞くよ」
出入り口で振り返った誉は、いたずらな笑顔でそう言い捨てて帰って行った。

なにそれズルい!
どっちにしても自然消滅出来ないじゃんっ。
いやそもそも、誉がここに来るなら出来ないじゃん…


「あのさ、月奈ちゃん」
そこで風人に呼びかけられて。
またやらかした!と我に返る。

「わあ〜、ごめんっ。
待たせてごめんねっ?」
あまりに大人しいから、つい誉の事を引きずってたよ…

「それはいいけどさ…
今俺、心に何本矢が刺さってるかわかる?」

「……わかるわけないじゃん」
こっちはこっちでなに言い出す気…

すると風人は大きくため息をついた。

「どーせ俺は、ただの客だし」

「…そうだね」

「ひどっ!
俺2人にそう言われるたびに、矢がグサグサ刺さってたんだけどっ」

「なんで?事実じゃん」