もうこれ以上、許さない

「すみません、このとじ糸の所が少し破れてるので、洗うと広がる可能性がありますが…
どうされますか?」

「あらそうなの?
でもまぁシーツをかけるし、綺麗にしたいし…
洗ってください」

「かしこまりました。
あとこちらのシーツやタオルケットなどは、コインランドリーでも大丈夫ですが、どうされますか?」

「コインランドリーの方が安いなら、そっちにしようかしら…」

「はい、その方がお得だと思います。
その際、畳んだ状態で入れるとそのまま洗われたりするので、ぐちゃぐちゃにほぐして入れて下さいね」

「そうなのね…
何から何までありがとねぇ」
しみじみ感謝を告げるお客様。

これがサービス業の醍醐味だ。
あたしでも役に立てたんだって、嬉しくなる。

とりわけクリーニング屋はクレーム産業だから、確認する事も多いし大変だけど…
その分、感謝された時の喜びはひとしおだ。


そして今回の感謝の立役者は、紛れもなく風人で…
お客様を見送ったあと、今度はあたしが「ありがとう」を告げると。

「何が?」

昔からそうだったけど、風人にとってはごく当たり前の行動なのがうかがえる。

「うちのお客様を助けてくれてありがとう。
あたしもすごく助かった」