呪イノ少女、鬼ノ少女

「澪、鬼については?」

「少しだけ…。お父さんの本を読みましたから」


父の本に書いてあった知識が正しいのならば、だが。

あれは父自身が独自に調べた内容らしいから、どこまで信頼していいのか分からない。


「そう。わかりやすく言うなら、魂はオセロの駒よ。裏表があるのよ。白が人で、黒が鬼。私のように異能を使いすぎると、裏返る」


つまり、鬼になる。

今の九音は裏返る寸前、という事だ。


「でも、半鬼は違う。表も裏も灰色。白であり黒、ゲームには使えない駒なのよ」


目の前のいたいけな少女が『それ』だという。

その小さな体に『鬼』を宿しているというのだ。


とてもそうは見えない。


「ま、人が鬼を宿しているのか、鬼が人を宿しているのかは分からないけれど」


九音の皮肉に、雛子の目に動揺の色が揺れた。


「ま、分かりやすく言うなら化け物ね」

「そ、そんな言い方…」

「あら、間違ってはいないわ。だって、あれは半分は鬼なんだもの」


九音は容赦なく言った。

思いやりの欠片もあったものではない。


「間違ってはいないかもですけど、そんな言い方したら、雛ちゃんが可哀相です…」