呪イノ少女、鬼ノ少女

「九曜の者達は、みな半人半鬼なの」

「半人半鬼?」


九音の言葉を復唱して、澪は雛子を見た。

一瞬視線が交錯する。

だが雛子は戸惑い気味に顔を背けてしまった。


「あ…」


何か、何でもいい…言葉を掛けてやりたい。

しかし九音はその言葉を遮えぎるように、話を続けた。


「人と鬼が混じり合った半端な魂、半鬼。それが九曜なのよ」


と、言った直後…

気まぐれに吹いた風が九音の長い前髪を揺らし、その下に隠された黒曜の瞳を露にした。。

澪は「それ」を見るのは始めてだったが、一目で悟った。

その瞳が魔性を宿していることに。


だから、尋ねた。


「九音さんも?」


だが、九音は自嘲するような微笑を浮かべ、否定する。


「いいえ。澪には、その辺りも説明しないといけないわね」


そうして九音は、澪の頭に手を置いた。

薄桃色の袖が顔に掛かり、くすぐったくなって身をよじる。


「私はこの目と『力』のせいで、鬼に近い存在だけど、大丈夫、紛れも無く人間よ」

「あの…ごめんなさい。私には、よく分かりません。それは半鬼と何が違うんですか?」


情報に理解が追い付かない。

当然。

今まで、九音達の世界にはとんと無縁だったのだ。

だから、与えられる情報が澪の知識に引っ掛からない。

故に、いまいちピンと来るものがないのだ。