呪イノ少女、鬼ノ少女

首を締め付けられる苦しさに、雛子の目に涙が滲む。

その涙に濡れた目尻を、九音は真っ赤な舌を伸ばして舐め上げた。

「嗚呼、不味い…舌が爛れるわ。澪とは大違い」


九音はそう言って、手を放した。
戒めを解かれた雛子は力無く、その場に崩れ落ちる。

そうして砂利の上に転がって、貪欲に酸素を求めた。


「かはっ…ごほっ!」

「だから私は捨てた。そうして、お前は捨てた私を憎んだ。澪と違って、お前はつまらない。本当に見てて苛々するわ」


雛子を締めていた腕で髪を流し、九音は不機嫌そうに息を吐いた。

「影に隠れてばかりで、自分では何もしない、出来ない。仕舞いには差し延べた手に噛み付く。全く……なんて救いようのない娘なのかしら」


前髪を掻き上げ、黒曜の瞳で足元に転がった雛子を見下ろした。


「お前みたいな臆病者は、澪に慈悲を掛けられる価値も無いわね……ん?」


そう吐き捨てた九音の足を、雛子が弱々しく掴んだ。

まだ苦しそうに肩で呼吸をしているが、憎悪に満ちた瞳は真っ直ぐ九音を見上げている。