呪イノ少女、鬼ノ少女

「説教じみた事を言うなんて性に合わないのだけれど、澪の為にも少し叱っておきましょうか」


顎に当てていた指を、つーっと這うように降ろしていき、九音はゆっくりと雛子の首を握った。

力は加えられてはいないので苦しく無いのだが、雛子は不快感に顔をしかめた。


「お前ね、他人に依存し過ぎなのよ。私にしろ茜にしろ、ね。けれど同じくらい、捨てられる事を怖れている。だから、澪を頼れないのよね?」

「私は……ぁっ!」


反論しようとした雛子の喉を、九音は表情も無く締め付けた。


喉を強く締められて血管が圧迫され、雛子は苦しげに眉を歪めた。


「黙って聞きなさい。お前は一人で何とか出来るなんて言うけれど、何が出来るというの?お前に出来るのは、ただ回りからの暴力に堪えることだけでしょう」


九音は腕に込めた力を抜かずに、呼吸が出来ずに喘ぐ雛子の耳元で囁くように言った。


嗜虐心に塗れた笑みを張り付けて、九音は酷く心地良さそうだ。


「それを巻き込みたくないだ何だのと、私の可愛い澪に当たり散らして。本当なら縊っているところだわ」

「あっ…ぅっ」

「嗚呼、いい顔するわねぇ。本当に醜い貌。私は、弱い物が何より嫌いなの。お前みたいに卑屈に歪んだ物は、特に。握り潰したくなるわ」