呪イノ少女、鬼ノ少女

九音は澪にそう言ったのだが、澪からは何の返事もない。


おかしいと、九音は不思議そうに首を傾げた。


「あれ、澪?」

「……衝撃で気を失ってます」


雛子が指さす方を見ると、澪は顔を目を回して見事に茹で上がっていた。


「あら、やり過ぎたかしら?」


そんな風に呆れながら、九音は袖を捲るように上げて澪の体を抱き上げた。


九音の腕の中で、困ったように眉を八の字にして眠る澪の寝顔に、彼女は僅かに口許を緩ませた。


「一体何が?いえ、それよりもご当主、どうして『力』を?使わないはずでしょう」

「どうだっていいでしょ、そんなこと」


九音は面倒臭そうに雛子に背を向けた。


「そういう訳にはいきません!珠祭の力を使う事がどういう意味か解ってるんですか」


九音は面倒臭そうに雛子の方を一瞥して、ずり下がって来た澪の体を抱き直した。


「当り前じゃないの。ま、気になる事があるなら茜に聞きなさい。私はこの子をちゃんとした所で寝かせないといけないから」


「そんな!待ってください!私はまだ澪さんにも話があるんですからっ!!」