呪イノ少女、鬼ノ少女

「ちっ、遅かったか」


雛子を後ろに引き倒した張本人は、顔を紅潮させて倒れている澪の側に屈んで、その額に手を当てた。


「ご当主っ!何故ここに…」


九音は一度だけ雛子の方を冷ややかに見つめ、またすぐに澪の様子を見た。


「見えたから来たのよ」

「見えた?……まさか『力』を使ってるんですか!?」


少し驚いたように雛子は目を見開いたが、九音はそれ以上何も言わせまいと、雛子に手の平を向けた。


「今はそんな事はいいわ。澪を治すから、下がってなさい」


九音は澪の額に手を当てたり、手で脈を量って、容態を探る。


体音はかなり高くなっており、脈は少し早いくらいだ。


「澪は慣れてないから、お前の血に当てられたみたいね。でも、これくらいなら、まだ」


乱れた前髪を治してやりながら、九音はほぅっと息を着いた。


そして、おもむろに澪の体を抱き起こすと、


「ちょ…ご当主、何をっ!!」


そのまま雛子が止める間もなく、九音は澪に口付けた。