「っ〜〜〜…」
澪は声にならない声を上げて必死にもがく。
首を締める腕を掴んで、掻き毟って、足をばたつかせて、体を捻って逃げようとするのに、その腕の力には全く敵わない。
そんなパニックの中で澪は、狂喜に歪んだ口許を見止めた。
相手は女。
細すぎる肢体には真っ白い襦袢を纏っているが、先ほど澪の視界をちらついていたのはこれだろう。
「かっ…は…」
意識がだんだん黒く塗り潰されていく。
このままでは―――…死ぬ。
もう抵抗する腕にも力がほとんど入らない。
本当に死ぬ…、そう思った時、ふいに首を締める力が抜けた。
「ごほっ…ごほっ…、は、はぁ…はぁ…っ」
解放された喉が、貪欲に酸素を吸い込み肺へと送っていく。
蒸し暑い空気は肺を焼くように熱かった。
だがそんな事もおかまいなしに、澪は必死で呼吸を繰り返す。
ただ、ただ、生に縋り付くように…
突然圧迫から解き放たれた血液は痛みを伴って体中を駆け巡り、同時に霞んでいた意識を鮮明にしていく。
澪は身を捩り、胸を押さえ、泥まみれになって地面の上で喘いでその苦痛に絶えていた。


