呪イノ少女、鬼ノ少女

「私は九音〈くおん〉」


女は九音と、そう名乗って、冷たい両手で澪の顔を包んだ。


「あ…」


心臓が一際大きく胸を叩いた。


「わた、私は…」

「知っているわ。澪でしょう」


優しい顔だ。

どこか、懐かしさも感じさせる柔らかな微笑みを浮かべた表情だった。


「会いたかった」

「あなたはどうして私を…?」


九音の目に見つめられていると、胸の鼓動が痛い程に加速していく。


血液は沸騰したように体を熱くし、息苦しい。

おかげで上手く言葉が紡げなかった。


「何でも知ってるわよ。運動が苦手で勉強もあんまり得意じゃない。でも、優しくて努力家、それに何よりも」


今度は肩をやんわりと抱かれて、告げられる。


「可愛いわ」


澪は顔から火が出そうだった。

しかも、まるで告白をされているかのような台詞の連続に、澪の思考回路は焼け付く一歩手前。


「あなたに会いたくて、私は毎夜毎夜身を焼かれる思いだったんだから」


首筋に九音の熱っぽい溜息が触れて、背筋を甘い衝撃が貫く。