呪イノ少女、鬼ノ少女

茜は寄りかかるように、鬼の耳元に顔を近付けた。

そうして、すうっと深く息を吸い込む。


「貴さっ…」


直後を幻視した鬼が顔を歪め、茜が獰猛に笑う。


遅い。

ピタリと呼吸が止まる。

その、直後。


「あああああああああああっ!!!」

「っつ!!」


咆哮。


半鬼の強靭な肺活量から生み出される絶叫が鬼の鼓膜を襲った。

大気が震え、雨粒が弾ける。

強大なまでの声量に、鬼は堪らず仰け反るように顔を背けた。


「ばーか」


これ以上ない大きすぎる隙を、茜ほどの達人が逃すはずがない。