呪イノ少女、鬼ノ少女

真一文字に掻き斬られた首に手を当て、鬼は苦しげに呻いた。


ようやくの一太刀。

一矢を報いる事が叶った。

だが、人ならばまず致命傷といえる傷も、強靭な生命力と驚異的な回復力を備えた鬼にとっては、さほど深手とは言えない。


現に、この鬼は首を切られたというのに、怯むどころか好戦的な感情を更に加速させている。


「流石に、同じ物を持っているだけはある。弱点を良く分かっている」


鬼がそう言って手を離すと、既にそこにはうっすらと朱線が残っているだけだった。

異常なまでの回復力である。


「えぇ。私達の目は、けして万能ではないわ」


珠祭の『眼』は、未来を、千里先を、隠された中身を見ることが出来る。

だが、万能ではない。

『視』ようと意識を向けた時と場所しか見えない上に、『視』ている間は現実の視界は塞がれる。

それは、テレビのチャンネルを切り替えるようなものだ。

チャンネルを変えている間は、現実というチャンネルは映らない。

しかし戦闘中において、それは自殺行為そのもの。

故に、使用する時間はコンマ秒以下の殺那。

だから、幾ら『視』てはいても、先程のような小手先の技は気付く事が難しいのだ。