呪イノ少女、鬼ノ少女

「母さんの方は?」

『会合抜け出して、今そっち向かってる』


外では雨が、嵐に近い激しさを見せている。

激しい風が吹き付ける度に、屋敷に唸り声のような音が響く。


だが電話の向こうから届くのは、雨音だけではない。

何かがぶつかり合うような鈍い音がする。


『悪いけど、ちょっと時間掛かるかも。鬼の気配に引かれて、出て来たカス妖魔に足止めされて……っと!』


茜の言葉が途切れた直後、受話器の向こうに雷でも落ちたかのような轟音が響いた。


「母さんっ!?」

『問題無いから叫ばないで。ちょっと大物が混じってただけだから。ったく、ざっと三十か……手間の掛かる』


火群の鬼は、強大な力を持つ。

その力は、陰陽の陰。

強大な陰の力は鬼の力を増幅するだけでなく、その土地の気を乱し、様々な妖を呼び寄せてしまう。

陰なる存在である妖にとって、陰の気に満ちた土地は、活動しやすいのだ。

かつて珠祭の当主達が鬼になってしまう度に、下級の妖魔がこの村に集まった。


そして、今回。


『やれやれ……二十の鬼の群ともなると、集まってくる化物の質も数も大分違うわねー。あーやだやだ、ホント泣きたくなるわ』