呪イノ少女、鬼ノ少女

ジリリリリ…

不意に部屋の何処かで電話が鳴って、二人は同時にビクリと体を震わせた。


「電話?」


雛子が首を巡らせ、音の元を探す。


あった。

レトロな黒電話が部屋の隅の床に、雑に放置されていた。


「出た方がいいのかな?…ていうか、何でこの部屋に電話?」

「さ、さぁ?」


九音は鬼化の進行を抑える為に、屋敷にいる時は浄房化させたこの部屋からほとんど出ないからなのだが、二人は知る由もない。

ちなみに冷蔵庫も、押し入れには布団もきちんと揃えられている。

が、今は関係ない。


そうして、二人が惚けている間も電話は鳴り止む気配は無い。

放置しておく訳にもいかないので、やむなく雛子が電話を取る。


「も、もしもし」

『雛!?』

「母さん?」

「え、茜さん…?」


電話の主は茜だった。

澪が僅かに体を緊張に固くする。


茜は走っているのか、呼吸が乱れていた。


『二人とも無事ね?』

「う、うん。今の所は…」

『安心したわ。鬼が出たって、そっちで警備してる鬼祓から連絡があったから』

「でも、ご当主がお一人で…」

『九音ちゃんなら大丈夫よ。あんた達は、下手な事しないで自分の事だけ考えてなさい』